はじめに
サイトを売却・譲渡する際、避けて通れないのが「サーバー移管」。
この作業は表面的には「新しいサーバーにデータを移すだけ」に見えますが、少しのミスが思わぬトラブルを招く原因になります。
たとえば、「サイトが突然見られなくなった」「メールが届かなくなった」「アクセスが減った」など、事前に知っていれば防げたことばかりです。
この記事では、移管作業で発生しやすいトラブルと、その具体的な防ぎ方をセットで詳しく解説していきます。
サーバー移管でよくあるトラブルとその防ぎ方
DNS切り替えのタイミングミス
起こるトラブル
- 新しいサーバーにまだ完全に移行しきれていない状態でDNSを切り替えてしまい、サイトが表示されなくなる
- 早く切り替えすぎてしまい、メールやアクセスログが新旧サーバーに分散してしまう
- DNSの浸透に時間がかかり、一部のユーザーだけ旧サーバーにアクセスし続ける
防ぎ方
- DNSの切り替えは「新サーバーにすべてのデータを移し終え、動作確認まで完了してから」に行う
- DNS変更後も旧サーバーは48〜72時間程度残しておくことで、浸透期間中のアクセスにも対応できる
- Google Chromeなどのキャッシュが影響することもあるため、移管後の確認は異なるブラウザや端末でもチェックするのがおすすめ
サイトデータのアップ漏れ・設定ミス
起こるトラブル
- 画像フォルダ(wp-content/uploadsなど)だけが移っておらず、サイトに画像が表示されない
.htaccess
ファイルが未転送で、リダイレクト設定や常時SSL化が機能しなくなる- ファイルのパーミッションが異なっていて、管理画面やページが正しく動かない
防ぎ方
- 移行対象を「HTML/PHPファイルだけ」とせず、隠しファイルや権限設定も含めて丸ごと移す
- FTPソフトを使用する際は、転送設定で『すべてのファイル』+『隠しファイル』を表示対象に
.htaccess
などの重要ファイルは、移行前にバックアップしておくことが必須
WordPressサイトでのURL設定ミス
起こるトラブル
- トップページは表示されるのに、内部リンクが旧URLのままでエラーになる
- 管理画面にログインできず、「ページが見つかりません」エラーが表示される
- 画像やCSSが読み込まれず、レイアウトが崩れた表示になる
防ぎ方
- wp-config.php に
define( 'WP_HOME' , 'https://新しいURL' );
とWP_SITEURL
を追加し、管理画面にログインできるようにしておく - Search Replace DB(または WP-CLI の search-replace)で、データベース内の旧URLを新URLに一括置換する
- 替える前には、必ずDB全体のバックアップを取得しておくこと(万一失敗しても元に戻せる)
データベースの文字化け・接続エラー
起こるトラブル
- ページに「�」などの文字化けが発生し、記事の内容が読めなくなる
データベース接続確立エラー
という画面が表示されて、サイトにアクセスできなくなる
防ぎ方
- phpMyAdminでエクスポートする際は、文字コードを「UTF-8」に指定
- インポート時のテーブル照合順序(collation)を新旧サーバーで統一する(例:
utf8mb4_general_ci
) - DB名、ユーザー名、パスワードなどが変わる場合、wp-config.php のDB設定を必ず更新する
PHPバージョンやモジュール差異による不具合
起こるトラブル
- 新サーバーのPHPバージョンが最新すぎて、旧サーバー用のコードが非対応でエラーになる
- プラグインが古く、「Fatal error」や「Undefined function」などが発生
防ぎ方
- 新サーバーでも旧環境に合わせてPHPのバージョンを7.4〜8.1などに一時的に調整する
- エラーログ(error_log)を確認し、どのファイルで問題が起きているかを特定する
- WordPressの場合、テーマやプラグインは移行前にすべて最新状態に更新しておく
メール設定の引き継ぎ忘れ
起こるトラブル
- 独自ドメインで使用していたメールが受信できなくなる
- お問い合わせフォームの通知メールが届かず、問い合わせを取りこぼす
防ぎ方
- 移管後はMXレコードの再設定が必要。旧サーバーと同じMXレコードを新サーバーに手動で登録する
- メールフォームに SMTP を使用している場合、メール設定(ホスト・認証)も新環境に合わせて変更
- G Suite/Google Workspace を利用している場合も、MXレコード設定がないとメールが機能しない
SSL証明書の未設定・期限切れ
起こるトラブル
- httpsアクセス時に「この接続ではプライバシーが保護されません」と表示される
- サイト全体がhttpsで動作していたのに、移管後にhttpへ戻ってしまう
防ぎ方
- Let’s Encryptなどの無料SSLを新サーバーであらためて再取得・設定する(証明書のコピーは不可)
.htaccess
で httpsへリダイレクトする設定が残っているかも確認(旧サーバー設定が無効になることも)- Google Search Consoleやアナリティクスに登録しているURLがhttpのままなら、httpsに更新する
トラブルを防ぐための事前準備のすすめ
サーバー移管は「気合でやる」作業ではありません。
ミスを防ぐには、やるべきことを一つずつリスト化し、順序を守って進めることが最も効果的です。
特に初心者の場合、移管の実施タイミングは平日昼間(連絡がつながりやすい時間)を選び、万一に備えておくことをおすすめします。
安心して引き継げる相手が見つかる「M&Aクラブ」
サーバー移管は、技術的な作業以上に“相手との信頼関係”が重要です。
相手の知識レベルや対応力によって、移管作業のしやすさは大きく変わります。
M&Aクラブでは、出品者・購入者ともに評価制度や本人確認状況が取引前に確認可能。
また、購入前に気軽に質問が
「この相手なら大丈夫そう」と思える環境でやりとりができるため、
初めての移管作業でも安心して進められます。
信頼できる相手となら、移管もスムーズに
サーバー移管を円滑に進めるには、相手の知識や対応力がカギ。
M&Aクラブなら、本人確認や評価が事前に確認できるので、
初めてのサイト売買でも安心して引き継ぎ作業を進められます。