ドメインの所有権を他者に渡す方法は「移管(トランスファー)」だけではありません。売り手と買い手が同じドメイン管理会社(レジストラ)を利用している場合は、わざわざ他社に移さず、管理会社内で「名義変更」や「アカウント移管」を行うことができます。
この方法は移管に比べて手続きがシンプルで、DNS設定の保持や手数料の面でも有利です。本記事では、同一レジストラ内でドメインを譲渡する方法を、主要サービスごとに詳しく解説します。
1. 同一レジストラ内での譲渡とは?
「ドメイン移管」は管理会社を変える手続きです。一方で、管理会社が同じであれば、
- ドメインの登録者情報(WHOIS情報)を新しい所有者に変更
- 管理アカウント自体を別ユーザーに譲渡 といった方法で所有権を移すことができます。
これらの方法には以下のようなメリットがあります
- DNS設定やメール設定が維持されやすい
- 認証コードやロック解除などの煩雑な操作が不要
- 認証メールの不着など、移管特有のトラブルが起きにくい
- 手続きにかかる日数が短く、即日で完了するケースも
2. 管理会社別|名義変更・アカウント移管の手順
※詳細は各管理会社へご確認ください。
■ お名前.com
- 「ドメイン移転申請」機能を利用して、ドメインを別の契約者アカウントに移動可能
- 手順:
- ログイン → ドメイン一覧 → 移転対象を選択
- 移転先の会員ID(お名前ID)を入力
- 承諾メールが送信され、双方の承諾で移転が完了
- 料金:無料(※場合により名義変更は別途必要)
■ ムームードメイン
- 「WHOIS情報の変更」で登録者情報を切り替える方法が一般的
- アカウント間でのドメイン移動は不可のため、買い手は同一アカウントへのログイン権限が必要
- 料金:無料(WHOIS変更のみ)
■ エックスドメイン(エックスサーバー)
- 「ドメイン移動申請」機能で、同一レジストラ内のアカウント間譲渡が可能
- 手順:
- インフォパネルにログインし、該当ドメインの「契約情報」へ
- 「ドメイン契約の移動」より、譲渡先のXserverアカウントIDとメールアドレスを入力
- 双方に確認メールが送信され、承認操作を経てドメインが移動
- 料金:無料
- 注意:ネームサーバーやDNS設定は維持されるが、Xserverの契約状況に応じて制限される場合あり
■ バリュードメイン
- 「ユーザー間ドメイン譲渡機能」が利用可能
- 手順:
- 譲渡元がドメイン一覧で「譲渡」→ 受取側のユーザーIDを入力
- 受取ユーザーが承認
- 即時で管理画面が切り替わる
- 料金:無料
■ ラッコドメイン
- 「アカウント間ドメイン移動」機能あり(譲渡元・譲渡先のアカウント双方が必要)
- 「ドメインの権利譲渡申請」メニューより操作
- 料金:無料
3. 注意点・事前確認事項
- WHOIS情報を変更するだけでは「法律上の譲渡完了」とは見なされない場合があるため、取引記録や契約書の保管をおすすめします。
- レジストラによっては、法人名義から個人名義への変更に制限があるケースもあります。
- DNS設定やメールアカウント(例:info@ドメイン名)も、必要に応じて譲渡対象に含めましょう。
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4. まとめ
売り手と買い手が同じドメイン管理会社を利用している場合、ドメイン移管よりも簡単な「名義変更」「アカウント移管」手続きで所有権を引き継ぐことができます。
トラブルを防ぐためには、あらかじめ管理会社のサポートページで詳細手順を確認し、メール認証・IDの確認・WHOISの更新などを丁寧に進めましょう。
「ドメイン移管」のように複雑な作業が不要な分、速やかな譲渡とスムーズなサイト運営の再開が可能です。